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第8回構造コラム:スチール束「ジャッキーII」から考える構造力学

本コラムでは、専門的な知識をより分かりやすく解説し、業務に役立つ情報を提供できればと考えております。

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●床束(スチール束)とは?

 

木造軸組の床を構成している“大引き”を支え、地面に荷重を伝える垂直部材を「床束」といいます。
昔は木製で作られていましたが、高さ調整の難しさや乾燥収縮による床鳴り、シロアリ被害などのリスクを避けるため、

現在は鋼製束(スチール束)や樹脂製束(プラ束)が主流になっています。

 

 

 

●スチール束〈ジャッキーⅡ〉の選び方-①形状

 

スチール束〈ジャッキーⅡ〉は、受け部の形状によって「Fタイプ」と「Lタイプ」があります。
Lタイプは受け部がL型になっており、大引きを一方向に架ける従来の根太床用、Fタイプは

受け部がフラットになっており、大引きをマス目に架ける根太レス床(剛床)に適しています。

 

 

 

 

●スチール束〈ジャッキーⅡ〉の選び方-②高さ

 

束を設置する箇所の“大引き下端”から“基礎スラブ天端”までの距離を「働き寸法」といいます。
束の高さは、使用する大引きの材寸や取り付け高さ、基礎スラブのレベルなどの情報をもとに働き寸法を算出し、

使用範囲に適応したサイズの商品を選定します。

スチール束〈ジャッキーⅡ〉は、10種類のサイズで93mm~1200mmの働き寸法に対応しています。

 

 

【働き寸法の求め方】

 

通常の納まり大引き下がりの納まり

 

 

●スチール束〈ジャッキーⅡ〉の配置

 

束は、1本あたりの負担荷重が1本あたりの長期許容耐力を超えないように配置します。
910mmピッチで架けた大引きにスチール束〈ジャッキーⅡ〉を910mmごとに配置した場合の計算を考えてみましょう。

 

 

 

まず、束1本あたりの負担面積を求めます。

当該束が負担する面積は、隣り合う束との中心線を結んだ範囲になるので、910mm×910mm=0.828㎡ となります。

 

次に、束1本あたりの負担荷重を求めます。

今回の荷重は、建築基準法施行令第84条及び第85条に基づいた固定荷重と積載荷重の数値を用います。

グランドピアノやユニットバスなどの重いものを載せる場合は、実況に合わせた荷重の算出が必要です。

 

 

 

・固定荷重:畳敷340N/ + 大引き(張り間4m以下) 100N/㎡ =440N/

・積載荷重:1800N/

 

㎡あたりの床荷重: 固定荷重 + 積載荷重 = 2240N/

 

1本あたりの負担面積が0.828㎡ですので、2240N/㎡ × 0.828㎡ ≒ 1855N

1本あたりの負担荷重は、おおよそ1.86kNになります。

 

 

スチール束〈ジャッキーⅡ〉1本あたりの長期許容耐力は

 

 

束1本あたりの負担荷重(長期)1.86kN < ジャッキーⅡ1本あたりの長期許容耐力

 

100用~1100用のどのサイズを見ても、ジャッキーⅡの耐力が十分に上回っていることが分かりました。

 

 

 

●スチール束〈ジャッキーⅡ〉の施工

 

施工手順解 説

①大引きにスチール束〈ジャッキーⅡ〉をビスで4か所

 固定します。(ビスは出来るだけ大引きに対して垂直に)
 ※ビスは樹脂突起部に打ち込んでください
 Lタイプ使用時は、
 ・L字部分が千鳥になるように取り付けます
 ・下側のビスを先にとめつけ、次に側面のビスをとめつけます

②あらかじめ印を付けておいたコンクリート面に、

 接着剤を適量、台座の大きさ分塗布します。

 

 

 

③ターンバックルを手で回して固定します。

 締め付けがきつい場合はスパナ等を利用してください。

※低くするとき ⇒ 反時計(左)回りに回す

※高くするとき ⇒ 時計回り(右)回りに回す

④水平を確認し、ターンバックルをスパナ等で固定し、

 六角ナットを締め付けてください。